保険代理店による保険代理店のための共創を支援する、EMSA

保険代理店

2025年5月30日、改正保険業法が成立しました。監督指針の改正案も公表されており、一連の損保不正問題に端を発した保険業界の改革が一歩一歩と進んでいます。

その中で保険の流通チャネルである保険代理店から”共創”によって業界の課題解決を進めていこうとしている、EMSA(代理店経営基盤強化交流会)という枠組みについて、取り組みのきっかけや背景、詳細、今後の展望について、インタビュー記事としてご紹介します。

東京海上出身で、現在は独立し「保険×事業開発」や保険業界のDXを支援するコンサルとしても活躍している中島力弥氏をモデレーターとしてお迎えし、EMSAを運営している三井物産インシュアランス・ホールディングス株式会社(以下、MIH)から共創デザイン部長の中野、同部員の温水、紺野、損保ジャパン出身で現在は保険業界向けに内部監査や内部管理体制構築支援をしている池田氏、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業パートナーの篠原弁護士が、それぞれの視点からEMSAについて議論します。

”共創”のきっかけ

  中島:はじめに温水さんにお聞きしますが、今回のインタビューのきっかけというか背景はどのようなものになりますか?

温水当社MIHの共創デザイン部では、EMSA(代理店経営基盤強化交流会)という、保険代理店向けのサービスプラットフォームを構築中で、これから本格的にサービス展開を開始しますが、これまでEMSAについての成り立ちについて説明したものがなかったので、あらためて企画段階から相談させていただいている中島さんに掘り下げてもらい、自ら振り返る機会を作るとともに、想いを発信できるような記事をつくってもらうことにしました。


  中島:温水さんとの出会いはいつでしたっけ? 元々GuardTechの取り組みから、「企業代理店2.0」構想をお聞きして、という流れだったかと記憶していますが。

温水2022年11月です。中島さんに関する記事を拝見し私からご連絡させていただきました。お会いしてすぐに意気投合、私が運営しているInsurTech(保険×テクノロジー)の有志コミュニティに興味を持っていただき、それ以来情報交換やお互いの人脈をご紹介をしあう仲になりました。

その後、MIHはInsurTechスタートアップのhokan1への出資(2023年6月)を経て、社外共創に取り組む「共創デザイン部」を2023年7月に設置しました。
当部では先ず当社が目指すべきコンセプトとして「企業代理店2.0」を提唱。これまでの企業代理店のあり方にとどまらず、様々なステークホルダーと関わりながら成長/発展していく新時代の企業代理店をめざすこととしました。他の保険代理店様や有識者の方々との議論を繰り返す中で、現在のEMSAに繋がる共創プラットフォーム構想のイメージが固まり、新規事業立ち上げを中島さんに伴走支援いただくことになりました。

保険業界では保険会社と企業代理店間の歪んだ商慣行に起因するさまざまな問題が顕在化した時期でもあり、こうした取組みが業界に一石を投じるものとして企業・プロを問わず多くの代理店様やメディア・有識者が関心を寄せていただいており、取組みに対する手ごたえを感じています。

  1. 2025年2月にHokanグループ社を設立し、現在はグループ経営体制へ移行 ↩︎

中島すぐに意気投合したのを覚えています(笑)。

左から中野、温水


  中島:この一連の問題を、傘下に代理店を持つMIHはどのように受け止めましたか?社内でどのような話があったか、お話しできる範囲で教えていただけますか?

中野今回の一連の問題が発生する前から、社員のスキル向上は必要であると認識していたので、その点についての驚きはありませんでした。一方で、企業代理店全体の構造について様々な指摘がなされており、業界の一員として反省すべき点が多々あることも認識しました。

生産労働人口の減少やデジタル化の遅れといった日本全体の構造問題もある中、これまでとは違うやり方でアプローチしていく必要があるとの思いがあり、リソースが少ない代理店単体で対応していくのではなく、複数の代理店がリソースを持ち寄って解決策を見出していく必要性を強く感じるようになりました。


  中島中野さんの想いに加えて、紺野さんの方でも企業代理店portを運営されるなど、面白い取り組みをされていますよね。よろしければ企業代理店portの概要と、その狙いのようなところを教えていただけますか?

紺野「企業代理店port」はMIHのオウンドメディアで、保険代理店の中でも企業代理店に特化した情報発信をしています。
私自身が新卒で就職活動をしていたとき、不勉強ながら保険会社と保険代理店が別物だという認識すらなくて、もちろん企業代理店なんて言葉も知りませんでした。

共創デザイン部ができた当時(2023年7月頃)はまだ一般社会で認知が低かった企業代理店について、認知度を向上させて行きたいという思いで「企業代理店port」を立ち上げました。企業代理店という業態を知って、少しでも魅力を感じてもらえれば人材も流れてくるのではと、楽観的な考えも持っていたというのもあります。

前述のような「企業代理店2.0」をコンセプトにしたブランディングによって、我々としても他代理店との差別化になると考えています。実際に新卒採用で情報提供として活用したり、またメディアを通して様々な業界のプレーヤーと繋がることもできています。

中島それは良い影響であり、まさに良い取り組みの証左でもありますね。

紺野
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